それでもやっぱりフィルム写真撮影は高い……って思ってる? (2022ver)
【約 23 分で読める記事です】
どうもかしまさです。
いきなりですが、フィルムってデジタルよりも高いと思ってませんか?
撮れば撮るほどフィルムが必要になるし、現像代もかかるし、
(あるいは自家現像するなら、薬品と道具も揃えないといけません)
なんとなくそんな気はしますよね。
趣味のハナシで損益だとか計算するなんて無粋なものと分かってはいるものの、
かつてExcelで計算してみたことがあるんです。
フィルム写真は高くない
もういきなり結論から言っちゃいますけどね、
フィルム写真は高くないです。
高いのは「名機」と呼ばれるような一部のフィルムカメラ。
そういうのを手に入れようとするとマジで高い。持ってないけどw
それと撮るたびにフィルム代がかかるという点。
確かに撮れば撮るほどお金はかかりますが、
デジタルカメラだって全く何も消費しないで撮影するわけでもないし、
あまりフィルム代だけにこだわるのも不公平かもしれません。
そんなわけで、いろんな条件でシミュレーションして、
フィルム vs デジタルのコスパ対決をやってみようと思います!
2022/05/31現在の価格をもとに計算しています。
またそれぞれの価格はネットで調べたざっくりした最安価格なので、
あえてどこの店舗かは書いていません。よかったらググってみてください。
そもそもデジタルでいくらかかる?
これから写真撮影を始めようとして、
カメラ本体の他、最低限必要なアクセサリー類を
全部揃えるとしたらどれくらいかかるものなのか?
まずはそこを考えていきたいと思います。
デジタル一眼レフの場合
ワイはミラーレスじゃなくてちゃんと一眼「レフ」で撮りたいんじゃ、という人。
フィルムとデジタルとの共用を考えているならむしろ賢明な選択かもしれません。
敢えて一眼レフにこだわる本格志向の方なら、
当然フルサイズセンサー搭載機を選ぶものとして、
本体と標準ズームレンズがセットになった「レンズキット」、
背景がボケた写真も撮りたいので、50ミリの単焦点レンズと、
撮った写真を保存するメモリーカードが3枚と、
予備用バッテリーを1個、あとクリーニング用品ね。
これだけあれば隙は無いはずです。
お好みでこだわりのストラップとかカメラバッグとかを追加してください。
今回は最低限なので入れてませんけど。
てなことで、それだけ揃えるといくらになるかを試算したのがこちら
約30万円。安いとは言えない領域の価格です。
それでも最安値を調べて載せてるんですけどねぇ。
てかペンタックスのフラッグシップがフルサイズ最安値なの今……かしまさが欲しくなってきた……w
ミラーレス一眼の場合
ミラーレス一眼もめちゃくちゃ普及しましたよね。
「デジイチ」と呼ばれるカメラの中でも、
小型軽量でお手軽な機種はだいたいミラーレスです。
フルサイズ一眼レフの時と同様、
「レンズキット」、50ミリ(相当)単焦点レンズ、
メモリーカードが3枚、予備用バッテリー1個、
そしてクリーニング用品と一通り揃えてみます。
約11万円。フルサイズ一眼レフよりはぐっとお得になりました。
とは言っても10万超え。お小遣い貯めないと買えませんな。
実際のところは型落ち品のレンズキット「だけ」を買うのなら新品で3万円以内でも買えます。
予備バッテリーも交換レンズも後から買い足せますし、
必ずしも最初に揃える必要はないかもしれない。
でも絶対あとで欲しくなると思うので、最初にまとめて買う想定にしてみましたw
ランニングコストは0円
11万と30万。頑張ってついに買ったとします。
バシバシシャッターを切っていくことで何のお金がかかるか?
……バッテリーを充電する電気代くらいしかかからないはず。
もちろん、写真をプリントすればお金がかかりますが、
写真を「撮る」ことについてほとんど0円になるのは
デジタルカメラのまぎれもない強みですよね。
スマホ写真も、「写真1枚あたり撮影料○円」なんて通信料に含められたら誰も撮らなくなるよw
フィルムカメラでいくらかかるか
カラーフィルムをお店で現像する場合
やっと本題。フィルム写真はどれくらいかかるのかを調べてみましょう。
エモい写真を求めてコンパクトフィルムカメラと、
エモいと噂のカラーフィルムを入手して撮影したとします。
なにこれかわいい……かしまさが欲しくなってきた……(2回目)
そして近所にはフィルムを現像してくれるお店がなさそうなので、
ネットで現像・スキャンをしてくれるトイラボさんに頼むことにします。
コンパクトカメラなので初期費用はカメラ本体の代金のみ。超安い。
(厳密に言えば中に入れる単4電池の代金もかかるけど)
しかし、フィルム1本を撮影して現像に出すたびに、
1本当たり4000円ほどかかっています。
そして図中にあるように、
フィルム27本消費でミラーレス一眼の価格を、
72本消費でフルサイズ一眼レフの価格を超えてきます。
月に1本フィルムを撮りきるなら、
それぞれ2年または6年でデジタルより割高になるということです。
もっと撮るならそれより早くなりますね。
フィルム写真は高くないとは言いましたが、
どうしてもランニングコストがかかるので、
ずっと継続していれば、あるポイントで
デジタルの価格を超えるのは仕方ないことです。
27本を少ないと見るか、多いと見るかはあなた次第。
モノクロフィルムを自家現像する場合
気を取り直して、モノクロフィルムの場合で比較してみましょう。
カラーフィルムでの撮影は高いなー、と思って
モノクロフィルムを自家現像することにしたら
どれくらいコストは下げられるのか?
カメラも、そういうことを考える人が使いそうな
中古のマニュアルフィルム一眼レフで想定してみます。
自家現像にも初期費用とランニングコストが発生するので、
ひとまずそこだけで計算してみると、
現像に必要な道具に3.5万くらい、そして自家現像1回あたり229円となりました。
これらをカメラの初期費用とランニングコストにプラスすれば、
「フィルム一眼レフでモノクロ撮影して、自家現像」したときの試算が可能になります。
こういう結果になりました。
フィルム1本あたりのランニングコストが2000円台まで下がりました。
これだと、同じ金額でデジタル一眼レフの8年ちょっと、
ミラーレスでは2年弱分を楽しめる計算になります。
ちなみに自家現像についてはこちらにまとめています。
しかしそれでも1本2000円ですよ。1パシャ65円です。
もっと安く済ませる方法はないのか? ……あるんです。
超ケチりながらモノクロフィルムを自家現像する場合
さきほどの表を見ていただくと、
コストを爆上げしているのは
フィルムと現像液ということが分かるかと思います。
ここを少しでも安くしようというわけですな。
フィルムは、100ftのものを切り出して使います。
しかも国内よりも海外のサイトで個人輸入した方が安いです。
そして、現像液はRodinal(ロジナール)を使います。
200倍希釈にしても使える。ほとんど水じゃんそれ。
500mlの現像液を200倍にしたら100Lもできちゃうんですけどw
そんな使い方もできるのでなかなか減りません。神コスパ。
そういうせせこましい努力をするとこうなります。
カメラは中古市場で有り余っているPentax SPとスーパータクマー、
現像用品もヤフオクを駆使して中古のものを最低限だけ集めましょう。
ちなみにこれはかしまさがガチで入手して愛用している組み合わせ。
実際にはセットで4000円でしたよ。
そして! フィルム1本あたりのランニングコストは500円台まで抑えることができました。
ね、やればできるもんです。なんと527本ものフィルムを消費できるくらい価格差も開きました。
527本というと、月1本使っていって43年分です。2本使っても20年以上。充分ですね。
ミラーレスでの価格差にしても10年分くらいあります。
カラーフィルムでどうしてもコスパを上げたい
コスパ的にはモノクロ自家現像最強、ということになってしまいましたが、
どうしてもカラーフィルムでコスパを上げたい人には
ハーフサイズカメラというのがあります。
フィルムの1コマを半分ずつ使って撮影するので、
36枚撮りフィルムで72枚(2倍)もの写真が撮影できるお得なカメラです。
↑のオリンパスペン、キヤノンDemiのような、
小型軽量でかわいい機種が多いので探してみましょう。
かしまさはヤフオクでキヤノンデミを見つけてめちゃくちゃ欲しかったことがある。競り負けちゃったけど。
あとペンEE3がおすすめだと思う。
まとめ
というわけで、今回はフィルム写真を撮影するのに
どれくらいお金がかかるのかについてじっくり調べてみました。
あまりお金をかけないで楽しもうというつもりでやっていたのですが
実際に計算してみると、こんなに差があるものなのかと新鮮でしたね。
みなさんも、お得にフィルム写真を始めてみませんか?
それでは、かしまさでした。
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