良い写真に共通する「良い構図」9つ。例を挙げつつ紹介してみます。
【約 8 分で読める記事です】
巧い写真をたくさん並べると、ものがバランス良く配置されて綺麗に見えることが分かります。
バランス良く見える配置にはいくつかパターンがあります。
先人達が見出した「これは綺麗に見えるぞ」というパターン、
つまり構図の例をいくつか紹介していきましょう。
日の丸構図
まず紹介するのは日の丸構図。
これは名前の通り、日の丸のように被写体をど真ん中にドーン! という構図です。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/hinomaru.jpg)
この構図の特徴は、とにかく分かりやすい。
上の写真(イラスト)を見て、「ひまわり畑を撮りたかったんだな」と思う人は
余程のひねくれ者でもない限りいないはずです。
ど真ん中に置いたものが撮りたかったもの(被写体)であることがダイレクトに伝わるので、
見る人の視線もど真ん中に引きつけられます。
ただ、分かりやすい分浅い。つまり素人っぽくなりがちでもあります。
被写体そのものが写真のメッセージになるので、
「花!」「海!」「山!」「かわいい女の子!」みたいな感じになります。
そんなわけで写真のことが分かっている人ならむしろ避けようとする傾向が強いのですが、
使いどころを抑えれば、やってはいけないものでもありません。
ファンキーモンキーベイビーズのCDジャケットは日の丸構図を巧く活かした例ですね。
三分割構図
日の丸構図からもうちょっとプロっぽく撮ろうと思ったら、この三分割構図を意識するようにしましょう。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/3bun_ex.jpg)
先ほどと構成要素は同じですが、「女の子!」ではなくて、
「ひまわり畑にいる女の子」という感じが強くなって見えるかと思います。
つまり被写体と背景を対比させることで、写真の中にストーリーを生み出すわけです。
メインとサブ
3分割構図というだけあって、画面を縦横3分割ずつに分けて考えます。
つまり9つのブロックに分けるんですね。
そのときに、画面を分割している線の交点にメイン被写体を置くと、バランス良く見えるんです。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/3bun_fig.jpg)
そしてメインを置いたのと対角線になる点(斜め上または斜め下)にサブの被写体を置きます。
そうやって配置したのがさっきの写真なんですね。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/3bun_exo.jpg)
カメラによっては液晶画面にこの分割線を表示できるものもありますので、
ぜひ「3分割」を意識して撮影してみてください。
人がいなくても有効
人が写っていない風景写真でも3分割の考え方は有効です。
さきほどの背景、ひまわり畑と青空がきれい~! と何も考えずに撮るとこうなります。
悪くないようですが、「ひまわり」と「空」とどっちを見て欲しいのか、
ちょっと定まっていないようにも見えませんか?
画面を3分割して、見せたい方の割合を多くすることで「メインはこっち」ということを明確にすることができます。
ひまわりを見せたいならこうなりますし、
空を見せたいならこうなります。
どちらも、せっかくきれいに写るものを切ってしまうのは勿体ないようですが、
きれいな写真を撮ろうと思ったら、「これ!」というものが際立つように
あまりものを詰め込みすぎない方がいいんです。
「写真は引き算」という格言もあるくらいですからね。
S字構図
画面内に大きく曲線(S字)を配置する構図です。柔らかい印象の写真が撮れます。
写真のように長くうねる道路や川などを大胆に画面に配置すると、その線に沿って視線誘導することができます。
食べ物の撮影(テーブルフォト)でも、並べられたお皿でS字構図を意識すると巧く撮影出来ます。
C字構図
テーブルフォトといえばC字構図。
こちらも曲線なのですが、「C」の形に円弧状の曲線を配置します。
具体的に言うとお皿の一部が切れるくらいまで近寄って撮影します。
どれもC字構図の実例ですが、美味しそうですね。
Instagramに料理の写真をアップする際にもすぐ活用出来るテクニックですので、ぜひ覚えましょう! 映えます。
対角線構図
名前の通り、対角線に沿って被写体を配置する構図です。
四角形の中で一番長い線が対角線です。
ですから「長さ」を表現したいときは、対角線に当てはめると良い感じかも知れません。
「斜め」の線を使うので、とてもドラマチックにも見えます。
何でも斜めにすればいいってもんでもないけど……。
例えば、地平線の長さを収めたくて斜めに撮っても
普段目にする地平線は斜めじゃないので、人によっては強烈な違和感があるらしい。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/strawberries-706650_640.jpg)
縦にしても横にしてもなんかしっくりこない時は、斜めにしてみると新しい発見があるかもしれません。
三角構図
3点で支えるとものは一番安定するんだそうです。三脚とかまさにそう。
それと同じで、写真の中に注目して欲しいポイントを3つ作って、
画の中に三角形を作ると安定するよ、というのが三角構図です。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/transmission-tower-3603503_640.jpg)
形成する三角形がどっしり大きいほど、安定して見えます。
逆に不安定な細~い三角形をつくってハラハラ感を煽るという使い方もあるかもしれない。
遠近法
ある意味では三角構図と共通の考え方ができるかも。
奥行きを活かして撮影すると、必然的に三角形が形成されますからね。
ね、三角形できてます。
四分割構図
先程の三分割構図とよく似ている考え方ですが、
今度は画面を縦横4つずつ、16個に分割して考えます。
真ん中を除く8点(真ん中は日の丸構図だから)のどれかに被写体を置いて撮影しましょうというのが、四分割構図です。
被写体を置く点が8個に増えるのでどの点を使うかの組み合わせがたくさんできますね。
三分割構図よりも細かく画面を分割しているので、被写体を置く点自体も
より外側に配置されることになります。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/4to3.gif)
これにより画面を広くいっぱいまで使うことができます。
レイルマン比率
鉄道写真家の中井精也さんは「レイルマン比率」という構図の考え方を提唱しています。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/railman.gif)
「画面を縦に四分割した線と、対角線2本の交点4つのどれかに被写体を置く」という考え方なのですが、
導き出される点は四分割構図の角の点と一致します。
また対角線の考え方も取り入れているので、レイルマン比率は
「四分割構図と対角線構図の合わせ技」と言うことができます。
電車の写真を撮るためにはどちらのアプローチも有効ですから、巧く組み合わせてらっしゃるんですね。
中井精也さんのブログ↓
シンメトリー構図(2分割構図)
3分割と4分割があるということは……2分割もあるんですよ。
ただ、三分割構図のところでちらっと触れましたが、ただ2分割にすると主題がぼやけることが多いので、
2分割を使うのは真ん中でぶった切ると面白いもの、つまりシンメトリーのことが多いです。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/20140126-P1010470_TP_V4.jpg)
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2020/06/sunset-3122152_640.jpg)
「まったく同じ」という対称(シンメトリー)を活かすためには、無理に三分割に当てはめて
対称形を崩してしまうよりも、敢えて2分割のままの方が収まりがいいこともあります。
構図はあくまで「パターン」です。
いろいろ思いつくままに書いてみたら結構あって自分でもびっくりしました。
構図ってこんなにいろいろあったんですね。
ただし、これだけが全てではありません。
というのは、ここに挙げた以外の構図もありますし(あるはず……かしまさが知らないだけで)、
必ずどれかの構図に当てはめなければいけないというものでもありません。
また、どれか一つだけでなく、いくつかの合わせ技によって「良い構図」を作り出すこともあります。
構図に囚われすぎて写真撮影が楽しくなくなっては意味がないですからね。
自由に撮影しつつ、だんだんに「こういうことか!」とコツを掴んで頂ければと思います。
ま、今はLightroomという便利なものがありますし、ぶっちゃけちょっとくらいなら構図はあとからいじれます。w
以上、かしまさでした。
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