親指AFとは?カメラ愛好家必見のテクニック
【約 8 分で読める記事です】
「親指AF」って知ってますか?
一眼レフ/ミラーレスユーザーの中でも使っている人はそれほど多くないですが、
人によってはお使いのカメラがより使いやすくなるかもしれない魔法の設定なんです。
「プロカメラマンがよく使っている」なんて言われますが、実際のところどうなのかは知らん。
ちなみに、かしまさはメインカメラ(6D2)でのみ親指AFを使用しています。便利やで。
この記事では、親指AFの特徴、メリット、デメリットについて詳しく解説します。
親指AFとは?
親指AFは、カメラのシャッターとは別に
ボディーの背面にある「AF-ON」ボタンを使ってピントを合わせる方法です。
シャッターボタン半押しでもAF操作は可能ですが、
それを無効に設定して専用のボタンのみを使う設定を「親指AF」と呼びます。
AFボタンらしきものが付いていれば操作のカスタマイズが可能なはず。マニュアルを確認してみましょう。
英語で「Back Button Focus (BBF)」とも言うらしいので日本だけのものではないらしい。
この方法は、中級機やハイアマチュア機の多くで利用できます。
![一眼レフカメラの背面](https://osumono.net/wp-content/uploads/2024/03/K-1II_05_2_TP_V-1024x683.jpg)
ご自身で一眼レフカメラをお持ちなら、右手親指で押せそうなあたりに
「AF」や「AF-ON」などと書いてあるボタンがないか探してみてください。
機種によっては「AE-L」など他のボタンと共用になっているかもしれません。
そういうカメラだともしかすると、あまり恩恵がないかも……。
親指AFのメリット
ひとまず、親指AFのメリットを挙げていってみますね。
1. ピント合わせ専用ボタン
ボタンごとに役割分担を明確にすることができます。
従来の設定では、シャッターボタンが「シャッターを切る」「ピントを合わせる」の
2つの機能を兼ねていますが、シャッターボタン半押しAFを無効にすることで、
シャッターボタンはシャッターを切るためだけに、
AFボタンはピントを合わせるためだけに使用できます。
……逆に言えばボタンを押さない限りAF動作をしなくなります。
同じ構図で何枚か写真を撮影している時に、
途中でピントがずれてイラッとしたこと、ありませんか?
親指AFなら、最初にAFボタンでピントを合わせたあとは、
次にボタンを押すまでは最初に合わせた位置のままで、連続撮影が可能です。
ピント位置が細かく変わる動きモノの撮影ではかえって不利なこともありますが、
じっくりピントを合わせて撮影するなら、操作系をシンプルにできるんです。
2. 置きピンがしやすい
被写体が現れる位置にあらかじめアタリをつけておいて、
そこにピントを合わせておくテクニック、すなわち「置きピン」と
親指AFの設定はとても相性が良いです。
花火、鉄道、飛行機などの撮影で置きピンは特に有効とされています。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2024/03/NIS7511_cool_TP_V-1024x682.jpg)
半押しAFに設定されているカメラで置きピンをしようとすると、
ピントを合わせた後はずっと半押し状態を保持していないといけません
(あるいは、レンズのスイッチを切り替えてMFにしておいたり)。
しかし、親指AFなら半押し保持もMFへの切り替えも不要。
ちょっとだけ便利です。
とはいえ、最近のミラーレスなんかはAFの追尾がものすごく高精度になったので、
それで満足しているならそれでも良いのかもしれない。w
3. MFレンズユーザーでも違和感少なめ
AFボタンを押さないとAFが動作しないということは、
自分でピントリングを回してフォーカスを合わせていく
MFレンズと同じように使えるということでもあります。
MFレンズでの撮影に慣れている人が半押しAFカメラを使うと、
意図しないタイミングでピントが動いたりしてウッとなったりする(?)ところを
リングを回すか、ボタンを押すかの違いはありますが、
いつもと同じ間の取り方で撮影を進めていける……気がします。
かしまさもMFカメラをよく使うので、親指AFを使うようになって
「似てるなぁ」なんて思っています。
古いフィルムカメラも使っている人は試す価値があるかもしれませんね。
親指AFのデメリット
とはいえメリットばかりとも言えないんだな、これが。
そりゃそうか。
1. 慣れが必要/機種によっては使いにくい
半押しでピントが合うという状態に慣れていると、
別のボタンをわざわざ操作するのが最初は面倒に感じるかもしれません。
また、エントリークラスのカメラなどでは
AFボタンとAEロックボタン、あるいは他のボタンが共用になっていることがあり、
親指AFを有効にするとAEロックが使えない、なんてことも起こりえます。
そもそも親指で押せる位置にボタンがない機種もあります。
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2024/03/sc1664848565.jpg)
![](https://osumono.net/wp-content/uploads/2024/03/sc1664848564-300x261.jpg)
2. 動きモノとの相性が悪い
ピントを固定しておけるというのは裏を返せば
ピントを動かしにくいということでもあるわけです。
特に動きが予測不可能な鳥やペット、赤ちゃん、
スポーツなど絶えずピントを合わせ続ける必要のある撮影とは
親指AF設定はあまり相性がよくありません。
使うとしたらずっとAFボタン押しっぱなしです。逆に不便。
そういったものをよく撮影する人は半押しAFを使いましょう。
かしまさがメインカメラでしか親指AFを使わないのもそういう理由です。
親指AFでは動き回る子供の撮影をしていてもピントが追いつかないんです。
3. 人に貸しにくい
これ、地味に問題。
誰かに撮影を頼むとして95%の人は戸惑います。
「ここを押すとピントが合うからね」と説明したにも関わらず
ピントが合わない! と言われたりします。
また、職場のカメラなど自分以外の人が使うカメラを
この設定にして使い、半押し設定に戻し忘れてしまうと
次に使う人を無用にあたふたさせるので、注意しましょう。
まとめ
ハマる人にはハマる。いらない人はいらない。それが親指AF設定。
メリット
- シャッターボタンとAFボタンで役割分担ができる。
- 動きの予想できるもの/動かないものについて、ピントを据えてじっくり撮影できる。
- MFレンズを使うのと同じ感覚で使いやすい。
デメリット
- 操作に慣れが必要。あるいはカメラの機種によってはボタンが使いにくいこともある。
- 動きモノの撮影には向かない。
- 親指AFを使っていない人がギョッとする。
人を選ぶ設定ではありますが、撮影スタイルによっては
とっても撮影が快適になる可能性があります。
「便利そう!」と思った方は一度試してみてください。
ではでは、かしまさでした。
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