カメラの画質を決めるのは画素数よりも「センサーサイズ」です。

2020年5月31日

【約 12 分で読める記事です】

画質が良いカメラを選ぼうとするとき、ともすれば「画素数」ばかり見てしまいがちです。
1000万画素よりも2000万画素の方が画質良さそうですもんね。

しかし実際には、画素数よりもカメラの画質を左右する指標があって
そしてそこを気にしている人は思いの外、少なかったりする。

というわけで、今回はセンサーサイズの話です。

センサーが大きければ情報量も増える

センサーサイズとは、読んで字の如くデジタルカメラのセンサーの大きさのことです。
レンズから取り込んだ光をセンサーで記録するわけですから、絵を描くキャンバスのようなものですね。

「大きなキャンバス」と「小さなキャンバス」があったとします。
大きいキャンバスの方が大きな絵を描けるのは当然として、
細かい部分まで書き込みやすいのは、やはり大きいキャンバスですよね。

で、キャンバス(=センサー)が大きい方がたくさんのものを描き込めるわけですが、
どれくらい細かく描けるかを表しているのが画素数です。
言わば、絵を描く筆の太さとでも言いましょうか。
だから画素数が多い(=細い筆が使える)方が画質が良いというのは半分は合っている。

画素は画像を構成するひとつひとつの「点」のことです。
点がいっぱい集まっている方が細かい絵を描けるのはなんとなく想像出来るかと思います。

デジタル画像を拡大すると色の点の集合体であることがわかります

小さなキャンバスに細かく描くのは限界がある

小さなキャンバスにも細い筆を使って細かい絵を描くことは可能です。
ただ、大きなキャンバスと同じくらい細かく描こうとすると
とーっても細かい作業になってしまうかもしれません。米粒に絵を描くようなね。
同じように描こうとしても労力の差が違います。
それに細~い筆で描いた線は、どうしても頼りなくなりがち。

もちろんカメラは細かい作業を「めんどくせーなぁ」とサボったりはしませんが、
細かく描くならキャンバスが大きい方が描きやすいのは分かっていただけるかと思います。
というわけで、画素数が多いことも大切ではありつつ、
センサーの大きさもちゃんと見ないと、本当に画質が良いかどうかは判断できないんです。

「大きい」「小さい」の度合いによるなぁ、という人は
次に実際のカメラのセンサーサイズを挙げていきますので、実感してみてください。

デジタルカメラのセンサーサイズとその大きさ

とりあえず、大きな順番に並べていきます。

中判(645サイズ)

サイズ:53.9×40.4mm

かしまさが知る中では世界一デカいセンサーのサイズ。
Phase Oneというメーカーのデジタルバック
(フィルムカメラにつけてデジタルカメラ化する機械)
で採用されています。

一般的な35mmフィルムより大きな中判フィルムの「645判」の大きさに相当。
デカい分画素数もえげつない。1億画素とかのやつが出てます。
そして、価格もえげつない。余裕で高級車買える
個人で持ってる奴は都市伝説レベルで皆無。スネ夫もびっくりだよ。

645サイズより一回り小さいもので「中判フルサイズ」と称しているものもあります。
PENTAXの中判デジタルカメラである645Zのセンサーサイズは43.8×32.8mm。
世界最大よりは小ぶりに見えますがこれでも充分デカいんです。
ボディだけで60万以上します。個人で買え……なくもない。かしまさは買わないけど。

35mmフルサイズ

サイズ:36×24mm

個人レベルで考えうる最大がこの35mmフルサイズです。
単にフルサイズと呼んだりfull-frameと呼んだりもします。

馴染みのあるあの「35mmフィルム」と同じ大きさで撮影できます。

35mmフィルムってこういうやつね

35mmフィルムと同じなので、フィルム時代のレンズを使って撮影しても
まったく同じ見た目で撮れるというのが大きなメリットです。
長く写真をやっている人はフィルムカメラで使っていたレンズをいっぱい持っていますからね。

大きなセンサーを作るのには大変なコストがかかったので、
一昔前まではプロ向け一眼レフでしか採用されていなかったのですが、
最近では中級以上の一眼レフやミラーレスカメラでも採用されることが増えてきました。
価格も10万円台から選べます。やっと無理なく買える値段になってきた。

かしまさが持っているEOS 6D Mark IIもこのフルサイズセンサーを搭載しています。

APS-C

サイズ:23.6×15.7mm / 22.2×14.8mm (Canon)

一眼レフカメラやミラーレスカメラの大半で採用されているサイズ。
面積でいうとフルサイズの半分くらいになります。

その昔APSというフィルムがありまして、
その中のAPS-Cというサイズと近かったのでこのように呼ばれています。
Canonのだけなぜか他メーカーよりちょっと小さい。

普及帯のカメラに使われているので、カメラ本体も3万円くらいから入手可能。
中古なら1万以下で買えることもあります。

マイクロフォーサーズ

サイズ:17.3×13mm

主にオリンパスの「PEN」「OM-D」、パナソニックの「LUMIX」で採用されているサイズ。
この2社のレンズ交換式カメラを買うと自動的にマイクロフォーサーズになります。
APS-Cよりも更に小さなセンサーですが、その分カメラ本体も小さく設計できます。

1/1.7インチ

サイズ:7.6×5.7mm

主にコンパクトデジカメ等で使われているサイズ。
ミラーレスカメラでもPENTAX Q7、Q-S1で使われています。

microSDカード(約11×15mm)よりも更にちっちゃい
ここまで小さくなると、これでも撮れるのかよって思えてきますね。

1/2.5インチ

サイズ:5.7×4.3mm

もっと小さいのもあるんです。
コンパクトデジカメの他、スマホのカメラにも搭載されている。
かしまさが持っているiPhone XRのメインカメラ(背面)がこのサイズらしい。

他にもこれらの中間や、もっともっと小さいサイズもありますが、
主なものを挙げていくとこんな感じです。

どれくらい差がある?

サイズを数字で見てもピンとこないので、正確な縮尺で図にしてみました。

……全然違いますね

中判は巨大過ぎる上に手が届かないので、35mmフルサイズを最大にしてみるとこうです。

「小さいキャンバス」「大きいキャンバス」の差はこんなにもあるんです。

35倍……(某お笑い芸人ばりに)

写真ならスマホで撮れるのに、
なんでわざわざデカくて重い一眼レフを持ち歩くのか?
この図を見れば、なんとなく実感していただけたんではないでしょうか……?

まとめ

  • デジタルカメラの画質は画素数だけでなくセンサーサイズにも左右される
  • フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズなどのサイズがある
  • フルサイズはスマホのセンサーより35倍もデカい
  • でも逆に、そんなに小さいのにきれいに撮れるスマホすごくね

今回はセンサーサイズについてまとめました。
自分のカメラを買うときは画素数だけではなく
センサーサイズも気にしながら選びましょうね!

それでは、かしまさでした。