黒死病を恐れずにPENTAXのカメラを愛用するには……今更検証と対策を考える。
【約 23 分で読める記事です】
どうもかしまさです。
最近では新しく買ったK-30の設定もこなれてきて、
やっと咲いた桜の写真をフィルム風の画作りで撮ったりなどしています。
「里び(SATOBI)」はパソコン上でなら適用できることを知ってより一層楽しんでおります。
と、言ったところで今日の記事は黒死病について。
PENTAXのカメラをある程度使っている人なら
どこかで聞いたことがあるかも知れません。
黒死病とは
あ、ペストのことではありません。
PENTAXのカメラにおける黒死病とは、構造上の欠陥により
ある日突然写真が真っ暗にしか撮れなくなってしまう現象を指します。
PENTAX K-30の発売後数年経った頃から不具合報告がネットに挙がり始め、
K-30の他、後継機種のK-50、K-70、さらにはK-S1、K-S2でも
黒死病が発生しうるらしい。(KPとかKFでは聞かない)
そして海外では集団訴訟にまで発展(敗訴したみたいだけど)。
これがきっかけでPENTAXが嫌いになった人も少なからずいるのでは。
原因と修理
先人達の研究により、現在では、
「絞りを制御する部品が強力な磁石にさらされ続けて
(磁力を帯びて)正常に動かなくなってしまう」
ことが原因として特定されています。
そこでカメラを分解して、その部品を別のカメラと交換したり、
磁力の影響を弱めるためにちょっと削ったり、
ハンダで薄い膜を作ってみたりと
様々な自己修理の方法が提唱されてきました。
その辺はかしまさが説明しなくてもググればいくらでも出てきますので、各自でどうぞ。
しかし普段からそういうのやり慣れているならまだしも、
中学校の技術家庭の授業以来、はんだごてを握った覚えがないような
かしまさなんかは、分解したら絶対に元に戻せません……
だからそういうのは最後の手段ということで温存しています。
自力修理に関してはこちらの記事にまとめています。
修理しないで使うには
しかしどうやら、一度黒死病になってしまっても、
専用バッテリーではなく単3電池を使うと黒死病が出ない
という報告もK-30を購入する前に見ていたんです。
動作電圧がどうのこうという話でしたね、確か。
それで、かしまさが購入したセットには専用バッテリーがなく、
もともと単3電池で使用するつもりだったので、
黒死病というコワーイ持病のこともチラチラ目に入っていたものの
まー大丈夫でっしゃろと特に心配せずポチったのでした。
かしまさの場合
ここからはかしまさのK-30における事例と考察です。
アルカリ乾電池で問題なく使用できた
手元に届いて最初に入れたのは至って普通のアルカリ乾電池。
動作確認も兼ねて「確実に使える」もので試してみました。
先代K-x氏はeneloopだと電源が入らなかったりとか、よくあったもので。
K-xよりも電池持ちも改善されていて、アルカリ乾電池で
1週間くらいは撮影したりいじくり回したりができました。
ところでリチウム乾電池はいいぞ
K-30で使える単3電池には3種類あって、
アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池(eneloopとか)の他に
リチウム乾電池というのが使えます。
K-x氏も最終的にはリチウム乾電池運用に落ち着きました。
何がすごいかって
- アルカリ乾電池よりも保つ
- 大電力に強い
- 低温にも強い
- 保存期間が長い
- 軽い(アルカリ乾電池より35%軽量化されてるらしい)
と、まさにカメラに入れるための電池といっても過言ではない。
アルカリ乾電池よりは割高ですが、その分電池交換のことを忘れられるので
良いこと尽くめの電池なんです。当然K-30用にも買いましたよね。
そしたら……
単3だと出ないんじゃなかったのかよ
リチウム乾電池で使い始めて数日後、電源を入れて1枚目の写真が何となく暗い。
しかし2枚目からは何事もなく使えるのであまり気にせず。
次の日、やはり1枚目だけ暗い。その後は正常に撮れる。
……これ、黒死病じゃね?
こわッ! と思ったのでAmazon純正ニッケル水素充電池
(通称アマループ)と電池ホルダーを追加でポチり、
リチウム乾電池をアマループと入れ替えてみました。
何事もなかったように正常動作しました。
どうやら単3電池の中でも色々あるということで間違いない!
そもそもなぜ単3電池はOKなのか
専用バッテリーがダメで単3電池(の大半)は大丈夫な理由を考察してみました。
まずは専用バッテリーの仕様を確認してみると、
7.4Vで1050mAhの容量があるリチウムイオン電池らしい。
(商品写真にそう書いてある)
電力量を計算してみると7.4×1050=7770mWh。
商品写真には7.8Whと書いてあるので大体合ってますね。
同じようにアマループ(Ni-MH充電池)について調べてみると、
1本で電圧が1.2V、容量は2000mAh、そしてホルダーは直列で繋がっている。
よって4本使うと電圧は4.8V、容量は2000mAhで変わらず。
電力量は4.8×2000=9600mWh、単位を合わせると9.6Wh。
ここまでで分かったことは、
- Ni-MH充電池は専用バッテリーよりも低い電圧で動作している
- Ni-MH充電池の方が電力量でだいたい25%くらい多い
- その分重いけどね
といったところ。
ではアルカリ乾電池はどうかと言いますと1本が1.5Vなので、
4本直列で6Vとなり、やはり専用バッテリーよりも低い電圧です。
と、ここで問題のリチウム乾電池です。
公称1.5Vとありますが、実は初期電圧が1.8Vと少し高め。
リチウム乾電池の公称電圧は1.5ボルトで一般のアルカリ乾電池やマンガン乾電池と同じですが、
初期電圧は一般の乾電池よりも少し高く約1.8ボルトあります。
……ちょっとまてよ。
1.8V×4=7.2V
単3電池でも専用バッテリー(7.4V)に匹敵する高電圧での動作です。
そしてどうやら、高電圧で動作すると黒死病が発生するようです。
1回入れたら年単位で電池交換しなくていいから便利なんだけどなぁ。ストロボにでも入れるか。
後日談
アマループの充電が無くなったので、
充電している間に試しにリチウム乾電池に戻して使ってみると……
3枚連続で真っ暗写真に! これ完全に発症してるね。
もうアマループしか使えませんな、こりゃ。
アマループで動作させる分には何も起きないんだもんね。
というわけで、かしまさのK-30は今日も元気に動作しております。
まとめ
- PENTAXの特定機種には黒死病という持病がある
- およそ10年前に発売されたミドルクラス/エントリー一眼レフで主に発症
- 発症すると写真が真っ暗になる
- 専用バッテリーを使うと真っ暗でも、単3電池を使うと回復することもある
- 単3電池の中でも、電圧の高いリチウム乾電池では発症することがある
- ニッケル水素充電池(エネループ)を主に使うのがおすすめ
というのを購入から1ヶ月ほどで学びました。
これも現時点での話なので、どんどん悪化する可能性もあるのですが、
そうなったらこれ↓でも試してみることにします。
100均の強力磁石は買ってあります。w
あるいは、うちにはtakumarのオールドレンズがあるので、
アダプターリングを使ってオールドレンズ専用機にするとかねー。
絞りリングを自力で操作する昔ながらのレンズは黒死病でも影響がないらしい。
それでは、かしまさでした。
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