How to FILM 【フィルム現像編】その4 – 現像、その後に

2022年5月22日

【約 12 分で読める記事です】

フィルム自家現像の解説も今回で最後になりました。
現像処理まで終わりましたが、写真として楽しめるまでにはもう少し作業があります。

今回やることは、現像処理をして乾燥まで終わったフィルムのファイリングをして、
プリントやスキャンの時に使いやすいようにする工程です。

収穫

「収穫」と書いてみましたが、乾燥が終わったフィルムを回収します。
長いので引きずったりしないように気をつけてください。
せっかく乾燥させたのにまた濡れちゃうと面倒ですよ。

まずはフィルムの両端についているクリップを外します。
じっくり一晩乾燥させていれば問題ないのですが、
1~2時間程度の乾燥だと、まだクリップの内部に水滴が溜まっている可能性があります。
クリップで挟んでいる部分はまずはさみで切ってしまう、というのも安全策として有効です。

6コマごとにカット

長いままのフィルムは扱いにくいので、適度な長さにカットしてファイリングします。
ネガシートは6コマごとの長さでちょうど収まるので、6コマずつでカットしていきます。

フィルムに折り目を付けないように気をつけながら、
どちらの端が1コマ目なのかを確認して、それより前の余白部分をはさみで切ります。

数えながら切っていっても良いのですが、
黒い部分が多い写真(ネガに像があまり出ていない)だとコマの境目が分かりにくいことがありますので、
ネガシートに突っ込んで6コマ分を数えると、数え間違いをしにくくなります。

ネガシートに突っ込みつつ切っていく

36枚撮りのフィルムを6コマずつで切れば6本になりますが、
37枚以上撮影していて1コマ分だけ余ってしまうような場合は、
最後を1だけ残すのではなく、その前を5で切って最後に2が残るようにしたりします。
(4と3で分けても可)
もしくは、最後の1コマに余白部分を残して長くしたりします。
小さいネガは扱いにくいですし、無くしやすいですからね。

暗室で写真のプリントをする時は「コンタクトプリント」(ベタ焼きともいう)というものをまず作ります。
6コマx6本だと六切サイズの印画紙にちょうど収まりますので、
プリントまでやろうとしている人は覚えておきましょう。

コンタクトプリント

また、最初に切り落とした余白部分(真っ白や真っ黒の部分)も、
プリントの露光時間を決めるときに使えますので、
2コマ分くらいを切り取って一緒に収めておくと便利です。

暗室に限らず、スキャンしてLightroomで調整するにしても
明確な基準を作れるのでやりやすいですよ。

ラベル付け

撮影・現像の情報を、覚えているうちにネガシートに書き込みましょう。
後で書こうと思っているとだんだん記憶があやふやになっていきます。

書き込む内容は、例えばこんな感じです。

  • フィルムの通し番号
  • 撮影した日
  • 撮影した場所、もの
  • 撮影したカメラとレンズ
  • 使ったフィルム
  • 現像した日
  • 現像のセッティング(現像液の種類、希釈率、現像時間、温度)
  • フィルムの設定(ISO100のフィルムを増感した、など)
  • その他気づいたこと、思ったこと
    • フィルムが期限切れだった、とか、ここの処理ミスった、とか

自分で必要ないと思うことはもちろん書かなくてOKです。
書くスペースもそんなに大きくないですし。

後で見返した時に、これを見ただけでどのフィルムかが分かるようにしておくと楽ですよ。
光に透かしてみればフィルムの中身は確認出来ますが、
ずっと光に透かして確認するのは結構疲れますし、反転しているのでいまいち分かりにくいです。

写真にして楽しむ

「フィルム現像」の作業は完了ですが、
ほとんどの人はその後「写真」にして鑑賞しますよね?
写真にする方法はいろいろあります。好きな方法で楽しみましょう。

暗室で印画紙に焼き付けを行う(自家プリント)

これが最も「それっぽい」というか、昔ながらの写真の作り方ですね。
フィルムを自分で現像できたんですから、
「いつかはプリントまで自分でやりたい!」と思っている人も多いかもしれません。
現像の過程は似ているので、一度やってみればすぐ慣れると思います。

レンタル暗室で作業

機材を揃えて完全に自己完結するほか、
レンタル暗室を予約してそこでプリントする方法もあります。
場所によっては、詳しい人に教えてもらいながら作業できることもあります。

自分で現像したフィルムをお店に持って行く

現像は自分でやったけど、プリントはプロに任せたいという人は、
現像したフィルムをカメラ屋さんに持って行けばプリントしてもらえます。

ただ、写ルンですなどのカラーネガよりも料金が割高だったり、
出来上がりまでに時間がかかったりします
1発で思い通りに仕上げてもらえるとも限らないので、
実はなかなかハードルの高い選択肢かも知れません……。

パソコンやスマホに取り込む(スキャン)

現実的に一番多くの人が選んでいるであろう選択肢。
最終的にデジタル画像になってしまってますが、そこまでの過程が大事ってことで。

専用のフィルムスキャナを使う他、フィルムスキャンモードが付いているプリンター複合機もあります。
デジタル一眼レフにスライドコピーアダプタを付けて再撮影(複写)も一種のスキャンですね。
かしまさは現在これが専らです。


デジタルにしてしまえば加工が自由です。SNSへの投稿も簡単。
「#自家現像」だの「#selfdevelopedfilm」だの付けて大いにドヤってください

……というわけで。

かなり長くなってしまいましたが、「フィルム自家現像」について興味を持っていただけましたか?
一コマずつじっくり画作りをしていく楽しみを、ぜひあなたも味わってみてください!

それでは、かしまさでした。